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東京都港区のマンションで06年、都立小山台高2年、市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査1課は週内にも製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の担当者計6人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。
シンドラー社についてはエレベーターの製品自体には欠陥がないとして、立件は困難と見られてたが、稼働当初の7年間に保守管理も請け負っていた点を重視。故障情報や点検マニュアルなどを引き継いでいれば事故は防げた可能性が高いと判断した模様だ。
市川さんは06年6月3日午後7時20分ごろ、港区芝の自宅マンション12階で、降りようとしたエレベーターの扉が開いたまま急上昇し、建物の天井とエレベーターの床との間に挟まれ死亡した。
港区などによると、シンドラー社はエレベーターの稼働が始まった98年4月~05年3月まで保守管理を担当。その後は別の会社が引き継ぎ、事故2カ月前の06年4月からエス社が担当していた。
シンドラー社は事故後の会見で、保守管理を担当していた7年間で住民が閉じ込められるなどの故障が27件あったことを明らかにしている。捜査幹部によると、04年11月にはブレーキの不具合が原因とみられるかごの停止もあったという。しかし、シンドラー社はこれらの故障情報などを引き継がず、点検マニュアルも渡していなかった疑いがある。
一方、エス社は、点検作業員(29)らが事故9日前に点検した際、ブレーキパッドの摩耗で出た粉の堆積(たいせき)などの異常を見逃した疑い。捜査1課の実験で、事故機はブレーキを作動させる電磁コイルに不具合が生じ、ブレーキがかかった状態での運転が続いたことが判明している。このためブレーキパッドが摩耗し、ブレーキが機能しなくなり、かごが急上昇したとみられる。【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】
◇消費者保護の流れが加速
警視庁が製造元の「シンドラーエレベータ」の担当者を立件する方針を固めた背景には、製品による被害の防止や救済を目的とした消費者保護の流れを重視したことがあるとみられる。
事故機を巡っては、シ社が保守管理を請け負っていた稼働当初の7年間で計27件の故障が発生。当初はエレベーター自体の欠陥を問う見方もあった。しかし、製品には問題がないことが判明したため、警視庁は故障情報や点検マニュアルを引き継いでいなかったという点に着目し、立件の「壁」を突破した。
エレベーターの保守点検は、大手メーカー系列の会社と「エス・イー・シーエレベーター」のような独立系に分かれる。業界関係者によると、大手は秘密保持を理由に自社系列でない会社に設計図などを渡さないことが多いという。
シ社は事故後の会見で、点検マニュアルなどについて「業者側から要請がなかった」と説明した。事故を受け、国土交通省は定期検査・報告制度(年1回)を見直すなど建築基準法令を改正。エレベーターの所有者に、自治体への故障情報の報告を義務づけた。保守会社の間での情報共有などを目指したものだが、メーカーを含めたすべての関係業者が事故を教訓に徹底した安全対策を進める必要がある。【佐々木洋】
シンドラー社についてはエレベーターの製品自体には欠陥がないとして、立件は困難と見られてたが、稼働当初の7年間に保守管理も請け負っていた点を重視。故障情報や点検マニュアルなどを引き継いでいれば事故は防げた可能性が高いと判断した模様だ。
市川さんは06年6月3日午後7時20分ごろ、港区芝の自宅マンション12階で、降りようとしたエレベーターの扉が開いたまま急上昇し、建物の天井とエレベーターの床との間に挟まれ死亡した。
港区などによると、シンドラー社はエレベーターの稼働が始まった98年4月~05年3月まで保守管理を担当。その後は別の会社が引き継ぎ、事故2カ月前の06年4月からエス社が担当していた。
シンドラー社は事故後の会見で、保守管理を担当していた7年間で住民が閉じ込められるなどの故障が27件あったことを明らかにしている。捜査幹部によると、04年11月にはブレーキの不具合が原因とみられるかごの停止もあったという。しかし、シンドラー社はこれらの故障情報などを引き継がず、点検マニュアルも渡していなかった疑いがある。
一方、エス社は、点検作業員(29)らが事故9日前に点検した際、ブレーキパッドの摩耗で出た粉の堆積(たいせき)などの異常を見逃した疑い。捜査1課の実験で、事故機はブレーキを作動させる電磁コイルに不具合が生じ、ブレーキがかかった状態での運転が続いたことが判明している。このためブレーキパッドが摩耗し、ブレーキが機能しなくなり、かごが急上昇したとみられる。【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】
◇消費者保護の流れが加速
警視庁が製造元の「シンドラーエレベータ」の担当者を立件する方針を固めた背景には、製品による被害の防止や救済を目的とした消費者保護の流れを重視したことがあるとみられる。
事故機を巡っては、シ社が保守管理を請け負っていた稼働当初の7年間で計27件の故障が発生。当初はエレベーター自体の欠陥を問う見方もあった。しかし、製品には問題がないことが判明したため、警視庁は故障情報や点検マニュアルを引き継いでいなかったという点に着目し、立件の「壁」を突破した。
エレベーターの保守点検は、大手メーカー系列の会社と「エス・イー・シーエレベーター」のような独立系に分かれる。業界関係者によると、大手は秘密保持を理由に自社系列でない会社に設計図などを渡さないことが多いという。
シ社は事故後の会見で、点検マニュアルなどについて「業者側から要請がなかった」と説明した。事故を受け、国土交通省は定期検査・報告制度(年1回)を見直すなど建築基準法令を改正。エレベーターの所有者に、自治体への故障情報の報告を義務づけた。保守会社の間での情報共有などを目指したものだが、メーカーを含めたすべての関係業者が事故を教訓に徹底した安全対策を進める必要がある。【佐々木洋】
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